アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2020年6月号「講師控え室 132

 

アメリカのウォルト・ディズニー社がパークで働く従業員十万人の給与支払いを停止。一時的に解雇することを四月に決めた。全従業員数の半数らしい。医療給付にかかる費用は会社がしばらく負担する。とはいえ、何の安心材料にもならない。

夢の国にも残酷な現実を突きつけた武漢ウイルス。経営陣も仕方なくの決断だったか。一ヵ月で最大五四〇億円の経費節減につながるのだから。共感を持ちつつも、労働者にとっては恐ろしい決定だった。

日本の運営会社オリエンタルランドはどうか。パークで働く従業員の休業補償を続けている。日本もアメリカも休園。どちらも困窮の運営状況ではある。やはり日本のほうが慈悲深い。働き手を単なる労働契約者と捉えず、家族の一員として扱っているようだ。

一方、金がなければ会社は存続できない。儲けが出なければ社員を雇うこともできない。東京のタクシー・ハイヤー事業展開の会社が運転手六百人を一斉解雇した。武漢ウイルスによる事業悪化が理由である。

社長の意図は「失業保険をもらって食いつないでくれ。そのうち嵐は鎮まり元に戻る、その時またうちで働いてもらう。これを約束する。だから我慢して従ってくれ」であった。

これが不服で数十人が提訴し、裁判で勝ち職場復帰を果たした。社長は内心泣いている。この危機を一致団結して乗り切ろうとしたが解ってくれない人が出てしまったことに…。

アイウィルも日々の勤務体制が変わった。会社にいるのは二名のみ。他は自宅待機である。講師は研修がなくても家で通信レポートを見ることができる。

それでも家にいると会社に行きたくなる。会社に行くことで気が充実するのだ。通勤するだけで社会に参加して働く気持ちになる。社会の一部に組み込まれている安心が得られる。自己の存在が認められる喜びが仕事にはある。また社会から必要とされるのは生きがいである。だから訴えたタクシー運転手の気持ちもよく解るのだが…。

仕事とは何か。働くこととは何か。今年の新人社員は解らないまま社会人になってしまった。今も学生意識を引きずったままの人も少なくないだろう。

競馬でゲートを出遅れた馬が勝つ確率は低い。しかし人生は二分勝負の競馬とは違う。逸早く態勢を立て直して追いつき追いこそう。

活動自粛のない社会下で働き、仕事の苦楽を味わってほしい。仕事を持つこと、働くことがあなたの幸せになる。皆が活き活きと働ける日本に戻ることを待ちのぞむ。(正木元