染谷昌克の『経営管理講座』
人材育成の新聞『ヤアーッ』より
「経営管理講座 432」 染谷昌克
歴史を繰り返そう
前号で塾アイウィル解散の報告をした。「知らなかった」「なんで誘わなかった」とご意見をいただいた。研修やセミナーではないのでオープンで募集はしなかった。三十年続いて歴史になった塾アイウィル、このまま歴史の幕を降ろしてしまうのか。今月号でもう少し…
育てることは企業の使命
子供は外からの刺激影響によって育っていく。
どんな親から生まれ、どんな家庭で育ち、どんな友達を持ち、どんな先生に教えられ、どんな本を読んだか。
それと社会で偶然出会った人や出来事。
これらの要素が子供を育てる。
学校を出て社会人になると家庭や友人よりも組織(会社)からの刺激影響が強くなる。
どんな会社に入り、どんな経営者や上司に教えられ、どんな仲間と一緒に仕事をするか。
これによって一段と成長したり、歪んで斜に構えてしまうようになる。
人の成長は二十歳で止まるものではない。身長は伸びなくなるが、人にとって一番大事な精神力や頭脳と心に関する力は年齢に関わりなく成長していく。
人間中心の経営が人を育てる
厳しい環境と教育が人を成長させる。もうひとつ必要なのが、経営者の人間に対する理解と人間尊重の姿勢である。
特に中小企業では、トップがどれだけ真剣に人を思っているかによって、人は良くも悪くもなる。
学生がどの組織(会社)に所属するかを決めるのは、人生の重大事。この判断を間違えると、自分の成長にとってマイナスの道を選ぶことになる。
間違えずに選ぶには、その組織が人間中心かどうかを基準に判断するとよい。
トップの考え方ややり方をよく知り、またその会社の社員の成長度、充実度を知ることが大切である。
人は自分が健全に成長しているとき、幸福を感じる。幸福な人生とは、自分を成長させてくれる人々と共に生きる人生である。
企業は人間の成長の場である。人は社員として活動する中で、刺激され、影響を受け、教育されて人間性を磨いていく。
上に立つ人間は、企業は〝人間作り〟の場であり、企業のみが人を成長させる力を有していることを忘れてはならない。
自信を持って、考え、行動すべし。人が育ち、企業の強みとなって戻ってくる。
人間中心の経営者集団
社員がいきいきと仕事をし、自信に満ち溢れた表情で、人間的な温かみを持っている会社。こうした会社は社長が〝人間中心〟の経営を行っている。
会社の優秀性は、規模や売り上げで測るのではない。優れた経営者と優れた社員と、その人々が作り出した商品で決まる。人が育っていれば、売り上げや規模は上がっていく。
〝ヒト・モノ・カネ〟の最上位が人であることを、念頭に経営すること、これが人間中心の経営である。
前号で解散をお伝えした塾アイウィル。どんな学びがあったかは、亀井社長が教えてくれた。
もうひとつ、大きな効果がある。
塾アイウィルに参加することで、企業が人を育てる意義と目的を知る。
塾アイウィルのメンバーは全員人間中心の経営者である。そうでなかった人も、二年三年経つと、人間中心の考え方に変わっていく。
社員の成長を通じ、組織全体の力が高まることを実感する。持続的な発展を実現する「人間中心の経営」を学び、実践する力が身につく。
社員は単なる労働力ではない。創造力と可能性を持つかけがえのない同志である。
これが〝企業の最優先すべき使命は人を育てること〟だということを自然と理解させる。
企業が人材育成を重視する姿勢は、社員の信頼や社会からの評価も向上する。優秀な人材が集まり、企業はさらに成長する好循環が生み出される。
「人間中心の経営」とは、社員の成長を企業の成長に直結させる考え方である。人を育てることは企業の未来を創ることである。
成功している経営者は多くいる。完成された経営者はいない。経営に目標はあるが、終点はないからである。
経営者は未完成である。だからトップは常に向上心を持ち、成長を望み、学び続ける。自分の成長が、会社の、社員の、その家族の、地域社会の、幸せにつながることを知っているから。
学びの場を再開する。
【新生塾アイウィル】
令和七年五月スタート
参加資格
経営者。取締役以上の役職者・後継者・経営者の推薦
詳細は左の電話にて
〇三―五八〇〇―四五一一
※またはメールで浜中孝之までお問い合わせください。
info@iwill-kensyu.com
来年二月十一日には〝第八回経営者研修全期同窓会〟も開催されます。参加される方は、その際アイウィルスタッフにお問い合わせいただいても結構です。